料理や洗い物をするときに使うキッチンのシンク(流し台)。
キッチンシンクは使う機会が多い場所なので、水垢や石鹸カスなどの汚れが溜まりやすくなっています。
食材を扱うことが多いシンクは、できるだけキレイにしておきたいですよね。
そこで、今回はキッチンシンクの掃除方法について紹介します。
シンクの汚れには何種類かありますが、その汚れの特質を知り、それにあった洗剤を使うことで効率よく掃除できます。
シンクの汚れを理解し、面倒な掃除が少しでも楽になるコツやポイントをご紹介します♪
シンクの主な汚れの種類
キッチンシンクにつく主な汚れは以下の5つです。
①水垢
②石鹸カス
③油汚れ
④サビ
⑤排水口のヌメリ
これらの汚れは、それぞれにアルカリ性や酸性の特性をもっています。
効率よくキレイに掃除するコツは、それぞれの特性と反対の特性をもつ洗剤を使って、その汚れを「中和」させることです。
例えば、水垢と石鹸カスはアルカリ性の汚れです。
なので、水垢とか石鹸カスの汚れには、アルカリ性とは反対の酸性の洗剤(クエン酸など)を使って掃除すると、汚れが中和・分解され落としやすくなります。
油汚れは酸性の汚れなので、アルカリ性の洗剤(重曹など)を使うと、汚れを取りやすくなるということです。
それぞれの汚れの特性に合わせて、効果的な洗剤を使用しましょう。
シンクは食材を扱うことが多いので、シンクの掃除に使う洗剤は重曹やクエン酸といった、自然由来の天然成分で作られたエコ洗剤を使うのがオススメです。
シンクの掃除に使う主な洗剤
酸性、アルカリ性の特性をもった、主なエコ洗剤を紹介します。
どれも100円ショップやホームセンターなどで簡単に手に入ります。
《酸性のエコ洗剤》
①クエン酸
クエン酸とは、レモンなどの柑橘系の果汁に入っている成分です。
掃除用だけでなく「食用」としても使われていて、食用のクエン酸には疲労回復効果や胃腸の働きを整えてくれる働きがあります。
②食酢
食酢のなかでも、掃除用として向いているのは「穀物酢」です。
クエン酸との違いは、匂いです。
酢特有の匂いが苦手な人はクエン酸を使いましょう。
《クエン酸・食酢の注意点》
クエン酸・食酢といった酸性洗剤は塩素系洗剤と混ぜると、有毒ガスが発生して大変危険です。
塩素系洗剤と併用するのは絶対にしないでください。
水回りの掃除には塩素系洗剤を使う機会も多いので、クエン酸・食酢で掃除した後は、しっかりと水で流してから、拭くなどして成分が残らないようにしましょう。
また、金属などの素材は錆びてしまう可能性があるので、掃除後の拭き残しには注意してください。
《アルカリ性のエコ洗剤》
①重曹
重曹は、弱アルカリ性のエコ洗剤です。
「ベーキングソーダ」とも呼ばれ、お菓子作りにも使われています。
環境や人体に優しく、洗剤がなかったころから掃除に使われていたエコ洗剤です。
重曹の粒は、水に溶けにくい性質なので研磨作用があります。
焦げ付き汚れなどには、水に溶けずに残った重曹の粒がしっかりと削り落としてくれるので、磨き掃除をするときに効果的です。
②セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは、重曹と似たエコ洗剤です。
重曹と同じく弱アルカリ性ですが、重曹よりも少し強いアルカリ性なので、その分洗浄力は高いです。
セスキ炭酸ソーダはサラサラとした結晶状で、水に溶けやすくスプレー液などが作りやすいのが特徴です。
油汚れの掃除には、セスキ炭酸ソーダで作ったスプレーをかけサッと拭き掃除できるので便利です。
《重曹とセスキ炭酸ソーダの注意点》
重曹とセスキ炭酸ソーダを使って掃除するときは、掃除する場所の素材に注意してください。
アルカリ性が苦手な素材(アルミ、銅、天然繊維、皮革、大理石、畳など)に使うと、素材が変色・劣化する恐れがあります。
掃除する場所の素材に使っていいのか、よく確認してから使用してください。
【手荒れ・肌荒れ】
エコ洗剤は、自然由来の素材で作られているので、環境にも体にも優しいです。
しかし、酸性、アルカリ性が強くなると、手荒れなどの肌への刺激はあるので、掃除するときは基本的にゴム手袋を付けることをおすすめします。
【中性洗剤】
食器洗い用洗剤のほとんどは、中性洗剤です。
一般的な中性洗剤は、アルカリ性・酸性の洗剤よりも洗浄力は落ちますが、界面活性剤の力で汚れを落としています。
肌には優しいので、食器洗いなどの手洗いをするときには適しています。
◆参考リンク◆
界面活性剤の働き(外部リンク)
中性、アルカリ性、酸性は洗剤のパッケージにある、成分表示のなかに書いてある[液性]の部分で確認できます。
シンクの掃除方法
汚れの種類に応じた掃除方法を、ご紹介します。
《水垢の掃除》
水垢は、シンク内についた白いくすんだような汚れです。
この白いくすんだような汚れは、水道水に含まれるミネラルや食品に含まれるカルシウム成分などが固まったものです。
水垢は放置すると、どんどん蓄積し、汚れが凝り固まって掃除しにくくなります。
【クエン酸または食酢を使った水垢の掃除】
水垢はアルカリ性なので、酸性のクエン酸や食酢を使うと掃除しやすくなります。
①クエン酸水、または食酢水を作って、スプレーボトルに入れます。
クエン酸水を作る場合(水100mlに対してクエン酸小さじ1/2を配合)
食酢水を作る場合(水と食酢を2対1の割合で配合)
②シンクの汚れている部分にスプレーし、1時間ほど待ちます。
③時間が経ったら、シンクをスポンジでこすって掃除します。
拭き残しがないように、水でしっかり洗い流してください。
【これでも取れない頑固な水垢の場合】
①キッチンペーパーを頑固な水垢の上にかぶせて、その上からクエン酸水0r食酢水を吹き付けます。
②たっぷりと吹き付けたら、水分が蒸発しないようにラップをかけ、さらに1時間ほど放置する。
③時間が経ったら、スポンジで掃除します。
拭き残しがないように注意してください。
ここまでやれば、たいていの水垢は落とせるはずです。
《石鹸カスの掃除》
石鹸カスは台所用洗剤の油分と、水のミネラル分が混ざり合ってできる汚れです。
シンクの掃除を放置していると、水垢と混ざって固まり、さらに掃除しにくくなってしまいます。
石鹸カスには、「金属石鹸」と「酸性石鹸」と2種類あります。
《金属石鹸》
石鹸の油分と水のミネラル分が混ざってできた汚れです。
金属石鹸の汚れは、酸性の洗剤(クエン酸など)で落とします。
《酸性石鹸》
石鹸の成分と皮脂汚れが混ざってできた汚れです。
文字通り酸性の汚れなので、アルカリ性の洗剤(重曹など)で落とせます。
◆参考リンク◆
石鹸カスとは(外部リンク)
【重曹を使った石鹸カスの掃除】
酸性の洗剤を使った水垢の掃除をしても、ベタついた汚れが落ちない場合、「酸性石鹸」の汚れが付いている可能性が高いです。
その場合は、アルカリ性の洗剤を使って掃除しましょう。
①シンク内を軽く水洗いして、重曹を粉のまま、均等に全体に振りかけます。
②重曹を振りかけたら、30分~1時間ほど放置し、時間が経ったらスポンジでこすって掃除します。
③スポンジ掃除が終わったら、水で洗い流しましょう。
【セスキ炭酸ソーダを使った石鹸カスの掃除】
セスキ炭酸ソーダは、重曹よりも洗浄力があるので、石鹸カスの汚れが目立つときはセスキ炭酸ソーダの出番です。
水に溶けやすいセスキ炭酸ソーダは、スプレーにして使うのが簡単でおすすめです。
①セスキ炭酸ソーダと水を混ぜて、スプレーボトルに入れる。
作り方は、水500mlに対してセスキ炭酸ソーダ小さじ1杯を配合する。
②シンクの汚れている部分にスプレーし、10分ほど待ちます。
③スポンジでこすって掃除します。
終わったら、水で洗い流しましょう。
《油汚れの掃除》
油汚れは、キッチンシンクに付いた油が、固まってできる汚れです。
長期間放置すると頑固に凝り固まって、なかなか落ちなくなるので、こまめに掃除することが大切です。
付いて間もない油汚れなら、メラミンスポンジを使えば簡単に落とせます。
水を含ませたメラミンスポンジで、こすって掃除します。
【重曹を使った油汚れの掃除】
メラミンスポンジでは落とせない、時間が経った頑固な油汚れは「重曹ペースト」を使って掃除します。
①重曹ペーストを作ります。
作り方は、重曹と水を2対1の割合で、ドロッとしたペースト状になるまで混ぜます。
②作った重曹ペーストを、頑固な油汚れに塗り込みます。
③重曹ペーストを塗ってから、5分~10分ほど待って、スポンジでこすって掃除します。
終わったら、水で洗い流しましょう。
《キッチンシンクのサビ》
一般的なキッチンシンクは、サビにくいステンレスという素材で作られています。
しかし、ステンレスはサビにくいといっても、絶対にサビないというわけではありません。
【ステンレスのシンクがサビてしまう原因】
①もらいサビ
空き缶や鍋、フライパンなどの金物に発生したサビが、シンクに接触し移ってしまうことを「もらいサビ」と呼びます。
移ったサビはすぐに落とせば大丈夫ですが、時間が経つとステンレス内部まで侵食し、サビが落ちにくくなります。
②シンクの保護膜が剥がれる
ステンレスの表面には、「酸化被膜」という保護膜が発生します。
スポンジやタワシでゴシゴシと強くこすったり、塩素系漂白剤などの強い洗剤をつかったりしたときに、保護膜が剝がれてしまうときがあります。
保護膜が剥がれてしまうと、そこからサビが発生してしまいます。
③塩分
醤油などの高濃度の塩分を、シンク内に放置していると、サビる原因になってしまうことがあります。
【サビの落とし方】
サビを落とすには、クレンザーを使います。
クレンザーは、ステンレスのシンクを傷つけないクリームタイプのものがおすすめです。
サビの落とし方は、スポンジにクリームタイプのクレンザーを付けて、サビの部分を優しくこすります。
水で洗い流して、シンクに残った水気を拭き取って完了です。
《排水口のヌメリ》
排水口のヌメリは、排水口に溜まった食べカスや油汚れから雑菌が発生し、悪臭やヌメリの原因となります。
排水口のヌメリを放置すると、悪臭や排水管の詰まりの原因になる恐れがあるので、こまめに掃除しましょう。
【排水口のヌメリ掃除】
重曹とクエン酸(または食酢)を使って掃除します。
①ゴミ受けなどの外せるものを外します。
②排水口の中に、重曹(1カップ)を振りかけます。
③40~42℃くらいの湯(1カップ)にクエン酸(1/2カップ)を混ぜたもの、または食酢(1/2カップ)を排水口の中に少しずつ注ぎます。
重曹とクエン酸(食酢)が反応し発砲します。
発砲することで排水口のヌメリを、泡で浮かせて落としやすくさせます。
④30分ほど放置する。
放置しすぎると、汚れが固まるので注意してください。
⑤30ほど経ったら、排水口内の側面をスポンジや使い古した歯ブラシなどで、こすり洗いします。
⑥最後は、お湯で排水口を洗い流しましょう。
まとめ
キッチンの汚れは時間が経つと、こびりついた頑固な汚れになってしまうので、日々こまめに掃除しておくことが大切です。
水垢や油汚れを見つけたとき「今度まとめて掃除しよう・・・」ではなく、すぐに軽く掃除する習慣をつけるとキッチンをキレイに保ちやすくなります。
とはいえ、長年ため込んだ汚れの場合、掃除しても簡単にキレイにするのは難しいかもしれません。
頑固に凝り固まった水垢やサビを落とそうと、強くこすり洗いをして、シンクを傷つけてしまう恐れもあります。
そういう場合は、無理に掃除するよりも、プロのハウスクリーニングに依頼してみてはいかがでしょう?
シンクだけでなく、ガスコンロ、換気扇、などキッチン全体も掃除してもらえますし、一度プロに徹底的にキレイにしてもらえば、次からの掃除もやりやすくなるのでおすすめですよ。
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