「エアコンが動かなくなってしまったけれど、修理にはいったいどのくらいの費用がかかるんだろう」
「エアコンを修理して使い続けるか、新しく購入すべきかどのように判断したらいいんだろう」
エアコン修理は5,000円程度で直るものから100,000円以上かかるようなものまでさまざまです。
そのため、安易に修理を依頼すると買い替えるよりも出費がかさんでしまう可能性があります。
エアコン修理で損をしないためにも、どのような症状が出ているか、
何年使用しているエアコンかといったことを確認してから
修理をするか買い替えるかを判断する必要があります。
この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。
✓エアコンの修理相場
✓エアコンを買い替えた方がお得になるパターン
✓エアコンを修理に出す前にチェックすべきポイント
✓エアコン設置業者の選び方
この記事を読むことで、エアコンを修理すべきか買い替えるべきかがわかります。
また、買い替える場合の取り付け業者の選び方も解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
エアコンが故障した場合、まず修理することを考えるかもしれませんが、
場合によっては買い換えた方がお得になることもあります。
なぜなら、修理箇所によっては高額な修理費用がかかってしまったり、
新しいエアコンに買い換えた方が毎月の電気代をコストダウンできることもあるからです。
まずはどのような不具合があるのかを確認してから、不具合ごとの修理費用を確認しましょう。
そして、使用年数やおおよその修理費用をもとに、修理するのか買い替えるのかを検討してください。
まず、エアコンの症状別に修理相場を見てみましょう。
症状 | 費用 |
電源が入らない すぐに運転が止まる |
約9,000~85,000円 |
冷暖房が効かない | 約27,000~170,000円 |
エアコンから風が出ない | 約9,000~130,000円 |
室外機が動かない 室外機の運転が止まる |
約20,000~105,000円 |
ルーバー(羽の部分)が動かない | 約5,000~22,000円 |
室内機が水漏れする | 約8,000~60,000円 |
では、症状別に詳しい修理費用の解説をしていきます。
1.電源が入らない/すぐに運転が止まる
原因 | 修理費用相場 |
---|---|
内部基板・温度ヒューズ・室内ファンモーターの故障 | 約9,000〜35,000円 |
冷媒回路の故障 | 約32,000〜85,000円 |
コンプレッサーの故障 | 約24,000〜81,000円 |
エアコンの電源が入らない場合、
・内部の基板の故障
・温度ヒューズの故障
・室内ファンモーターの故障
上記のような原因が考えられます。
また、9,000〜35,000円程度の修理費用が相場になるのであらかじめ理解しておきましょう。
電源はついても少し運転していると勝手に止まってしまう場合には、
・冷媒回路の故障
・コンプレッサーの故障
このような原因が考えられます。
冷媒回路の修理は32,000〜85,000円程度が相場となり、コンプレッサーが故障している場合は
24,000〜81,000円程度が相場となりますが、メーカーによってはさらに
高額となる可能性があることを覚えておきましょう。
2.冷暖房が効かない
冷房や暖房があまり効かない場合に考えられる原因は以下の通りです。
原因 | 修理費用相場 |
---|---|
冷媒ガス漏れ | 約27,000〜50,000円 |
室外機の故障 | 約24,000〜36,000円(基板のみ) |
約80,000〜170,000円(四方弁の故障) |
冷媒ガスは冷たい風や暖かい風を出すために室内機と室外機を循環しているガスですが、
配管の劣化でひびが入ったり穴が開いてしまうとこのガスが漏れてしまい、
エアコンを運転していても効きが悪いと感じるようになります。
冷媒ガスが漏れている場合の修理相場は27,000〜50,000円程度ですが、
設置場所や購入年数などによってさらに高額になる可能性もあるでしょう。
室外機の故障の場合は、基板のみの修理なら24,000〜36,000円程度が相場ですが、
四方弁という冷媒ガスの流れを切り替える部品が故障している場合は
80,000〜170,000円程度と相場も高額です。
3.エアコンから風が出ない
エアコンから風が出ない場合に考えられる原因は以下の通りです。
原因 | 修理費用相場 |
---|---|
熱交センサーの故障 | 約9,000~18,000円 |
室内ファンモーターの故障 | 約12,000~32,000円 |
冷凍サイクルの故障 | 約80,000〜100,000円 |
熱交センサーや室内ファンモーターの故障によって風が出ない場合の修理相場は、9,000〜32,000円程度です。
もし、冷凍サイクルの故障の場合は80,000〜100,000円が修理相場で、
場合によっては100,000円以上かかることもあります。
4.室外機が動かない/室外機の運転が止まる
原因 | 修理費用相場 |
---|---|
制御基板の故障 | 約20,000〜35,000円 |
コンプレッサーの故障 | 約58,000〜105,000円 |
室外機が動かない、動いても途中で止まるといった不具合の場合、
・基板など室外機内部の劣化
・石などの異物の混入による破損
このような原因が考えられます。
制御基板の故障である場合は、20,000〜35,000円程度が修理相場ですが、
コンプレッサーの故障の場合は58,000〜105,000円程度の修理費用が必要です。
5.ルーバー(羽の部分)が動かない
原因 | 修理費用相場 |
---|---|
ルーバー自体またはルーバーのモーターの故障 | 約5,000〜22,000円 |
ルーバーとはエアコンの吹き出し口にある風の向きを調節する羽の部分です。
リモコンで風向きを変えても動かない場合は、ルーバー自体に問題があるか、
ルーバーのモーターに問題があります。
ルーバーが動かない場合の修理は5,000〜22,000円程度であるため、
修理の方が安く済む場合が多いでしょう。
6.室内機が水漏れする
原因 | 修理費用相場 |
---|---|
ドレンホースの詰まり | 約8,000〜16,000円 |
冷媒ガス漏れ・ドレンパンなど内部パーツの故障 | 約20,000〜60,000円 |
エアコンから水漏れしてしまう場合は、水を排出するドレンホースが原因であることが多々あります。
ドレンホースの詰まりによって水漏れしているのであれば、修理相場は8,000〜16,000円程度です。
他にも、冷媒ガス漏れやドレンパンなど内部パーツの故障が原因で水漏れしている可能性もあり、
そのような場合は20,000〜60,000円程度が修理相場となります。
エアコンを修理するより買い換えた方がお得になるのは、以下のような場合です。
・エアコンを購入してから10年以上経過している場合
・コンプレッサーが故障している場合
・冷媒ガスが漏れている場合
・エアコンを頻度に使用する時期に電気代が高くなる場合
これらの条件に当てはまる場合は、なぜ修理よりも買い替えた方がお得になるのかについて解説していきます。
1.エアコンを購入してから10年以上経過している場合
エアコンを購入してから10年経っている場合、以下の3つの理由から買い替えをおすすめします。
■エアコンの標準使用期間が10年
■部品がなく修理できない可能性がある
■電気代が安くなる
では、これらの理由について詳しく見ていきましょう。
■エアコンの標準使用期間が10年
一般家庭で使用されるエアコンの標準使用期間は10年です。
標準使用期間とは、標準的な条件の中で使用した場合に安全上支障なく使用できる期間のことで、
この期間を過ぎると経年劣化による事故が発生する可能性が高まります。
標準使用期間はエアコンの室内機の下に貼られているシールの中に明記されていますが、
このシール自体が貼られるようになったのが10年ほど前からなので、
古い機種には明記されていないこともあります。
また、10年も使用しているとエアコン全体が劣化してしまっているため、
修理で直せたとしてもまたすぐに別の箇所が故障してしまうこともあるでしょう。
ひとつのものを長く使用することは大切なことですが、
エアコンのような家電に関しては10年を超えると故障するだけでなく
安全性に支障なく使用できる期間も超えてしまうため、買い換えをおすすめします。
■部品がなく修理できない可能性がある
エアコンを10年以上使用しているのであれば、修理に必要な部品がなく修理自体ができない可能性があります。
なぜならエアコンの部品の保有期間はメーカーごとに決められており、
生産終了から9〜10年間と決められていることがほとんどだからです。
ちょっとした修理であっても部品がなければ直せないので、買い替える必要があります。
■電気代が安くなる
後ほど詳しく解説しますが、10年以上使用しているエアコンよりも
新しいエアコンの方が省エネ性が高いため、修理よりも買い替える方が高くても電気代が安くなります。
そのため、修理して古いエアコンを使い続けるよりも早めに買い換えた方が、
その分電気代を安くすることができますよ。
2.コンプレッサーが故障している場合
室外機から異音がする場合は、コンプレッサーの故障が考えられます。
コンプレッサーは冷媒ガスを圧縮して気体の温度を変化させる重要な部分で、
キーンという異音の場合はコンプレッサーが原因であることが多くあります。
コンプレッサーが故障した場合は修理費用が高額になりやすく、
交換が必要になれば100,000円以上もの交換費用がかかることも少なくありません。
使用年数が10年経っていないエアコンであっても、
コンプレッサーが故障している場合は修理費用と交換費用を比べて検討することをおすすめします。
3.冷媒ガスが漏れている場合
前述した通り、冷媒ガスはエアコンの風を温めたり冷やしたりするために必要不可欠です。
冷媒ガスの補充だけであればあまり高額にはなりません。
しかし、冷媒ガスが漏れている箇所を特定するためにガス漏れ検査をおこなったり、
ガス漏れしている箇所を溶接して塞いだりした場合は100,000円以上の修理費用がかかることもあります。
冷媒ガスが漏れている場合、
・室外機の配管に霜がついている
・配管接続部がベタついている
・室内機の熱交換器に霜がつく
・室内機の吹き出し口から水が飛んでくる
このような症状が現れることがあります。
上記のような症状がある場合には、修理費用が高額になることも想定して
買い替えも検討した方がいいでしょう。
4.エアコンの使用で電気代がかなり高くなる場合
使用しているエアコンが古く、エアコンを使用することが
多い時期になると電気代が極端に高くなるという場合は、
エアコンを修理して使い続けるよりも買い換えた方が節約になる可能性が高いでしょう。
経済産業省資源エネルギー庁によると、2009年製エアコンに比べて
2019年製エアコンは約17%の省エネになるそうです。
つまり、単純に計算して月にエアコンで3,000円の電気代がかかっていた場合は、
ひと月約500円の節約ができるということです。
エアコンにかかる電気代が多いほど、節約できる金額も大きくなります。
あまり使わないように気をつけているのに電気代が高くなるという場合には、
使用しているエアコンの期間消費電力を確認して
買い換えた場合にどの程度電気代が節約できそうかを計算してみてください。
計算方法は、1時間あたりの電気代=消費電力(kW)×1kWhあたりの電気料金となっています。
買い替えることで金額にどのくらいの違いが出るのかを確かめてみましょう。
明らかな故障であれば、買い替えや修理の依頼も検討しやすいです。
しかし、少しの違和感があっても明確にどこが故障しているか分からない場合は
セルフチェックを行う事で故障の原因がわかる場合があります。
夏前にエアコンの調子が悪くなると、慌ててしまい自分でチェックしてみるということを
忘れてすぐに業者に依頼を出しがちですが、まずは落ち着いて下記に紹介するポイントを
チェックしてみましょう。
エアコンを修理に出す前に確認しておきたいチェックポイントは、以下のとおりです。
エアコンを修理に出す前に確認しておきたいポイント
・コンセントを抜き差ししてみる
・室外機の周辺ににゴミや物が散乱していないか確認する
・エアコンのフィルターを掃除してみる
それぞれ詳しくみていきましょう。
✓コンセントを抜き差ししてみる
エアコンは一度設置するとコンセントは常時そのまま刺さっているという
ご家庭の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
エアコンには、マイクロコンピューターという部品が組み込まれており、
この部品がまれに誤作動を起こすことがあります。
「エアコンの電源を入れると、なんだか様子がおかしい…。」という場合は、
エアコンのコンセントを抜くことでマイクロコンピューターをリセットさせることが可能になります。
また、エアコンの故障かと思っていたらコンセントの差し込み口の
不具合だったということもあるかもしれません。
別の差し込み口があれば、別の場所にコンセントを挿して確認してみてくださいね。
また、節電のためにエアコンを使用しないときはコンセントを
抜いているという方もいるかもしれませんが、コンセントを挿してすぐに
電源を入れるとコンプレッサーに負荷がかかり故障の原因になることも考えられます。
コンセントを抜いていた状態から久しぶりにエアコンを起動させるという方は、
電源を入れる前に5時間以上放置し、待機電力がエアコン内に巡るのを待ってから利用してください。
✓室外機の周辺ににゴミや物が散乱していないか確認する
エアコンは、冷暖房の風を送りだす室内機と、外に置いてある室外機が繋がって動作しています。
室内の空気を取り込み外へ排出したり、外の空気を室内へ送り込むには室外機の状態も重要になります
そのため室外機に枯れ葉やホコリなどのゴミが散乱していると、
排気口が詰まりうまく空気を排出できません。
また、室外機に直射日光が当たり熱を排出できない場合も、室内機が冷たい風を送り出せない原因となります。
エアコンを長い時間稼働させても冷たい空気が出てこない場合は、
一度室外機の周りの状況をチェックしてみてくださいね。
✓エアコンのフィルターを掃除してみる
エアコンから冷たい風が排出されなかったり、異臭がしたりする場合は、
エアコンのフィルターが汚れていることが原因の可能性もあります。
エアコン自体にフィルターの自動掃除機能が搭載されている機種もありますが、
あくまでも内部搭載されているダストボックスにゴミが蓄積されるだけなので、
ダストボックスにゴミが溜まればそれを掃除するという行為をしなければなりません。
また、エアコンのフィルターが汚れているとエアコン内部の風が排出されなくなります。
エアコンの効きが悪いと感じる原因になったり、無駄な電気代がかかってしまう要因になるので、
こまめに掃除をするようにしてくださいね。
掃除の頻度としては、毎日エアコンを使用する時期は2週間に1回ほど、
時々しか使用しない場合は1か月に1回を目安に掃除しましょう。
長期間エアコンを使っていなかった場合は、必ずフィルターの掃除をしてから使用を開始してください。
✓エアコンを修理せずに買い替える場合のエアコン設置業者の選び方
エアコンを買い替えると決めたら、エアコンを購入して取り付けを業者にお願いする必要があります。
エアコンの取り付けに関しては、多くの人が取り付け費用を安く済ませたいと思うでしょう。
中には、エアコン本体はネットで安く購入し、取り付けは安い業者を
探して別で依頼しようと考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、エアコン設置を依頼する業者は価格だけで選ぶのは危険です。
なぜなら、エアコンの取り付けは専門的な工事が必要であるため、
腕の悪い業者に頼んでしまうと冷媒ガスが漏れるなどの不具合が起こり、トラブルの元となるからです。
家電量販店で設置料金込みでエアコンを購入する場合も注意が必要です。
家電量販店の場合、取り付け工事は下請けの業者がおこないます。
そのため、安心して任せられる業者が来るのか事前に判断することができず、
実際に口コミや評判などを確認するとトラブルも起きていることが確認できます。
エアコンを長く使用できるように設置してもらうためにも、
買い替える場合にはエアコンの販売も取り付けも両方行なっている業者に
取り付けの依頼をするのがおすすめです。
なぜエアコン販売と取り付けの両方を行っている業者に
依頼するのが良いのか、その理由は下記の通りです。
1.設置環境や使用状況に合う機種を教えてくれる
まず、家電量販店の場合は設置環境を伝えたりしながら相談することは可能ですが、
ネットで安くエアコンを購入する場合はそもそも相談することができません。
そうすると、部屋の大きさに合わない機種や設置が難しい機種を選んでしまう可能性があるでしょう。
また、家電量販店でもエアコン取り付けのプロではないため、
販売員に確認したのに取り付けができないというトラブルも少なからずあります。
エアコンの販売と設置を両方している業者であれば、エアコン自体の
性能も設置に関しての知識もしっかりとあるため、
・予算
・設置環境
・希望の設置方法
などを考慮しながら、最適なエアコンや設置方法を提案してくれるでしょう。
2.丁寧な取り付け工事をしてくれる
エアコンの販売と設置を両方行なっている業者であれば、当然エアコン取り付けの経験も知識も豊富です。
そのため、後から不具合が出るような雑な取り付けをされる心配がなく、
業者によっては断られる隠ぺい配管などの特殊な工事も依頼できます。
3.しっかりとしたアフターサービスがある
ネットでエアコンを購入してから業者に取り付けを依頼したり、
家電量販店でエアコンを購入して下請け業者に取り付けてもらった場合、
もしも不具合が出た場合に責任の所在が曖昧になってしまう可能性があります。
しかし、購入と取り付けが同じ業者であれば、責任の所在もはっきりしており、
万が一の場合にもアフターサービスを受けることが可能です。
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エアコンの修理にかかる費用は症状別に違います。
今回紹介した費用はあくまでも相場の為、実際にかかる費用は
これらよりも高額になる場合もある事を覚えておきましょう。
高額な修理の場合は買い替えた方がお得なので、
修理の見積もりと同時に買い替えた場合の費用も見積もっておくことをおすすめします。
また、今回の記事では買い換えた方がお得になるケースについても記載しました。
今回のケースに当てはまる場合は、買い替えを検討した方がいいでしょう。
買い替える場合、取り付け業者選びは慎重にしましょう。
エアコン取り付けは専門的な工事が必要となるため、
質の良くない業者に頼んでしまうとエアコンが使用できなかったり後々故障する原因となります。
取り付けをお願いするのであれば、販売と取り付けを両方おこなっている業者に依頼しましょう。