ある日突然、「エアコンがいまいち冷えない」と感じるようになった経験はないでしょうか。
エアコンの冷房機能は、部品の不調や汚れの蓄積で低下してしまう場合があります。
まずは原因を確認して、どのように対処すればよいのかを見極めましょう。
また、古いエアコンの処分方法や新しいエアコンの選び方もご紹介しているので、
買い替えを検討する際はぜひご参考にしてください。
エアコンが効きにくい場合に考えられる原因は、次の通りです。
●エアコンが汚れている
エアコンは空気を取り入れて内部で循環させ、冷やした空気を室内へ送り返す仕組みになっています。
ファンやフィルターにホコリなどの汚れが付着しているとそれが障害物となり、
スムーズに空気を送り出せなくなってしまいます。
そのため、エアコンのフィルターや内部が汚れていると
室内が冷えにくくなる可能性があるのです。
●冷媒ガスが漏れている
エアコンが室内の空気を冷やすためには、室内機と室外機をつなぐ
配管内部に充満している冷媒ガスという物質が正常に働かなければなりません。
部品トラブルなどによって冷媒ガスが漏れていると、エアコンは作動していても
冷却効果を得られなくなってしまいます。
「送風口から出てくる風が冷たくない」「そもそも風が出てこない」
「運転を始めてもすぐに停止してしまう」などの場合は、冷媒ガスが漏れている可能性があります。
●コンプレッサーや部品の不調
コンプレッサーや各種部品にトラブルが起こり、
エアコンの稼働に支障をきたしているケースもあります。
コンプレッサーは、冷媒を温めて温度をコントロールする役割を担っており、
「エアコンの心臓」とも言われます。
そのため、コンプレッサーが不調だと冷房運転に支障が出ることがあります。
基本的にコンプレッサーや各種部品の故障に関しては、
自分で対処することは難しいため、メーカーサポートや専門業者に点検・修理を依頼しましょう。
●室外機が汚れている
このほか、エアコンをつけても室内が冷えない原因には、
室外機の汚れが冷却を阻害している可能性も考えられます。
吹き出し口に設置されている熱交換器(フィン)や
吹き出しグリルなどの部品が汚れていると、
空気を外部へスムーズに排出できなくなり、
エアコンの冷却効率が低下してしまう場合があります。
なお、個人で室外機を移動させると冷媒ガス漏れなどのリスクが考えられるので、
移動する際はご自身で行わずプロの業者に依頼するようにしましょう。
●室外機が直射日光にさらされている
部屋が冷えない原因のひとつとして、室外機が直射日光にさらされているという可能性も考えられます。
室外機には正常に動作できる温度範囲があるため、
直射日光により温度が上昇すると冷気を作り出す機能が低下する場合があります。
すだれや日よけシートなどを使って日光を遮ることで、
室外機の温度上昇を緩和する方法もありますが、設置場所や取付方法によっては
吹き出し口を塞いでしまうなど、別のトラブルを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
●部屋の広さとエアコンの冷房能力が合っていない
室内が冷えないのは故障が原因ではなく、部屋の広さに対してエアコンの
冷房能力が十分ではない場合もあります。
エアコンには適用畳数が定められており、部屋の畳数よりも小さい適用畳数のエアコンを使うと、
十分に部屋を冷やしたり暖めたりすることが難しくなるため注意しましょう。
●エアコンが効きづらい時間帯・部屋もある
窓が大きい・多い部屋は外気温の影響を受けやすく、
冷えにくくなることがあります。
このほか、日光の影響を受けやすい屋上付近や、地熱の影響を受けやすい1階も、
冷房の冷えを感じにくい場合があります。
部屋が冷えにくいと感じた場合は、扇風機やサーキュレーターを併用し、
冷風を循環させるのがおすすめです。
●エアコンが冷えない原因は寿命の場合もある
エアコンが冷えない原因として、これまでご紹介してきたように
汚れの蓄積や部品の不調などが考えられますが、
中には寿命が原因でエアコンが冷えなくなっている場合もあります。
購入してからある程度の年月が経過しているのであれば、
単に故障しているだけでなく寿命を迎えている可能性も考慮しましょう。
購入から長い年月が経過しているエアコンは、修理用部品の保有期限を越えてしまい、
部品がなく修理できない場合もあります。
また、故障した部分を修理してもすぐにほかの部品が故障してしまう可能性もあり、
修理費用ばかり膨らんでしまうリスクがあるので、思い切って買い替えるのも手段のひとつです。
なお、最新のエアコンは十数年前のエアコンよりも性能が高いものが多く、
電気代を抑えられるケースもあります。
修理や改善が難しいと判断したときは、新しいエアコンを購入することも検討しましょう。
新しいエアコンに買い替える際の、古いエアコンの処分方法をご紹介します。
エアコンは家電リサイクル法に基づき、所定の方法に従って処分しなければならず、
粗大ゴミとして捨てることは禁止されているため注意しましょう。
●下取りに出す
新しいエアコンに買い替える際は、古いエアコンを下取りに出すことをおすすめします。
購入店舗によっては、新しく購入するエアコンが値引きされる場合もあり、
お得に買い替えられる可能性があるのでおすすめです。
●自治体に処分を依頼する
エアコンの処分は自治体に依頼することもできます。
各自治体によって受付方法や手続きが異なるため、自治体のホームページを確認しましょう。
●不用品回収業者を利用する
古いエアコンは、不用品回収業者に依頼して処分することもできます。
不用品回収業者ならエアコンだけでなく、
ほかにいらないものがあればまとめて処分を依頼することもできます。
ただし、不用品回収業者の中には不法投棄を行ったり、
見積金額よりも高い費用を請求したりする悪質な業者もいるため、
「一般廃棄物収集運搬業」の認可を受けている業者かどうかを
必ず確認するようにしましょう。
新しいエアコンを購入する際は、以下のポイントに着目しましょう。
●適用畳数
エアコンは「設置する部屋の広さ」に合わせて選ぶ必要があるため、
購入する際はまず適用畳数を確認することが大切です。
エアコンの適用畳数は、多くの場合「おもに◯畳用」「◯畳~◯畳」と記載されています。
「◯畳~◯畳」の表記は、前の数字が木造住宅、後の数字が
鉄筋コンクリート住宅向けの畳数を意味します。
●冷暖房の能力
エアコンを選ぶ際は、カタログに記載されている冷暖房の能力も確認するのがおすすめです。
たとえば、カタログや説明書に「冷房:2.2kW(0.6kW~2.8kW)、
暖房:2.2kW(0.7kW~3.9kW)」という形で表記されていれば、
それが冷暖房の能力にあたります。
数字が大きいほど冷暖房機能の能力が高く、最低数値が小さいと
細かな温度調整ができます。
●機能性
エアコンを選ぶ際は、機能性もチェックすることが大切です。
たとえば、お手入れの負担を軽減したい方には、フィルターを自動で掃除してくれる
機能を搭載したエアコンがおすすめです。
定期的なフィルター掃除は必要ですが、これらの機能を使用することで
お手入れの手間を減らすことができるでしょう。
このほか、室温や人の体感温度を感知する温度センサーを搭載したエアコンもあり、
自分に必要な機能が揃ったエアコンを選ぶことで、より快適に過ごすことができるでしょう。
エアコンを快適に使い続けるためには、日頃のお手入れや丁寧な使い方が重要です。
次の3つのポイントを意識しながらエアコンを使用しましょう。
1.使わない時期でも定期的に運転する
本格的な夏場や冬場以外では、エアコンをまったく運転しないという方もいるかと思います。
しかし、長期間使わないまま放置するとホコリが溜まりやすくなり、
故障の原因になってしまうこともあります。
そのため、エアコンを必要としない時期でも定期的に運転させるようにしましょう。
また、オフシーズンに定期的に運転することは、点検の意味合いもあります。
エアコンを本格的に使用する夏場や冬場にエアコンの不調に気が付いたとしても、
メーカーサポートや専門業者が混み合っていて、すぐに対応してもらえない可能性もあります。
点検も兼ねてオフシーズンに運転しておくことで、
万が一故障していたとしてもすぐに対処することができるでしょう。
2.定期的にお手入れする
よく使う時期だけでなく、春や秋などのエアコンをあまり使わない
時期でもこまめに掃除をすることが大切です。
たとえばホコリが溜まっていることに気がついたら、軽く掃除をするようにしましょう。
それだけでも、エアコン稼働時の負担が軽減されて、長く使うことができる可能性があります。
あまりにも汚れがひどいときは、専門業者にクリーニングを依頼するのも選択肢のひとつです。
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3.温度設定を極端に上げすぎない/下げすぎない
温度設定を極端に上げたり下げたりすると、エアコンに負担がかかって
故障を招きやすくなる可能性があります。
必要以上に温度を変更しすぎず、適度な範囲で使用することが大切です。
暑さや寒さの感じ方は人それぞれなので適切な温度設定は一概にいえませんが、
冷房時・暖房時の温度設定の目安は取扱説明書などを確認して操作しましょう。
エアコンそのものの不具合が原因で室内が冷えないケースもありますが、
汚れが蓄積していたり室外機が直射日光にさらされていたりと
故障以外が原因でエアコンが効きづらくなっている可能性もあります。
室内が冷えにくいと感じたら、この記事をご参考にまずは原因を確かめましょう。
故障が原因で冷えにくくなっている場合は修理や買い替えが必要になりますが、
購入から長い年月が経過していると、部品が無く修理ができない可能性があります。
また、修理をしてもすぐに他の部品が故障してしまうなど、修理費用がかさんでしまう場合もあります。
修理にこだわりすぎず、買い替えも選択肢のひとつとして検討するのがおすすめです。